福島県の現状を視察。住民目線の「本当の復興」が求められている。

5月10日から12日にかけて、京都二区後援会の皆さんと一緒に福島県を訪れ、震災と原発事故の被災地の現状を視察させていただきました。南相馬市の牛越仮設住宅の皆さん、南相馬市議の渡部寛一さんご夫妻には大変お世話になりました。

住民置き去りの「復興」ではなく、本物の「生活の再建」への支援を

福島県南相馬市の牛越仮設住宅

お世話になった牛越仮設住宅は、一時は320を超える世帯が住んでおられましたが、自宅を再建されたり、復興住宅の建設がすすむなかで、現在利用されている世帯は200を切っており、自治会の役員づくりなどで苦労されているとのことでした。

安倍政権は、今年に入って避難者の帰還制限区域をつぎつぎと解除し、避難者の「帰還」を推奨し、帰れない住民の方々を「自主避難者」「自己責任」などと言って突き放し、補償も打ち切られようとしています。しかし、自宅の再建は補償金ではとても足りず、高齢の方でも「子や孫の帰るうちがないと」との思いから、借金をして自宅を再建したというお話もお聞きしました。

また、新しい復興住宅に移ると、そこではじめから人間関係、コミュニティをつくり直していく必要があり、対応できない高齢の方などが孤独な生活に陥ってしまうといった問題もお聞きしました。

退職後に建てた自宅が津波で跡形もなく流されてしまったという自治会長さんは、「自宅は再建のしようもなく、帰る場所はない。福島第一原発のすぐ近くだったが、津波の被害ということで、原発事故の補償からは外されてしまっている」と話されていました。

巨大地震と津波の被害を乗り越えた皆さんに襲いかかった原発事故と放射能被害。原発の「安全神話」をふりまいてきた政府と電力会社には、被害にあったすべての人が生活を再建できるまで、仮設住宅からすべての人が笑顔で引き上げるまで、それを保障し、見届ける責任があります。

展望の見えない放射性廃棄物「仮置場」、放射能被害の実態

福島県を車で走ると、あちらこちらに黒い巨大な袋を積み上げた場所が広がっています。除染作業によってだされた放射性廃棄物を置く「仮置き場」です。先祖代々、耕し続けてきた田畑を仮置場にされてしまい、自殺された高齢の方もいるとお聞きしました。

広大な土地が「仮置場」に変わり、廃棄物は日々増えています

当初は「3年を期限」と言ってつくられた「仮置場」ですが、そこから廃棄物をうつす中間貯蔵施設は見つからず、すでに6年が経ちました。その一方で、放射性物質で汚染された広大な土地が残されており、毎日除染作業は進められるごとに廃棄物は増え続けています。

「仮置場」の前で放射能を測定すると、0.52μSv(京都では0.03μSvほど)の値に。

また、いまだに広大な地域が放射能で汚染されたまま残されています。福島第一原発から北西に広がる「帰還困難区域」は、その間を走る国道と高速道路の自動車での通行のみ許可されています。自動車で走り抜けただけでしたが、車内での放射能測定値もどんどん上がり、1μSvを超えました。車外に表示されている数値では5μSvというものもあり、まだまだ高濃度の汚染が続いていることを実感しました。

付近の家屋は地震の被害がそのまま残され、田畑は雑草が生い茂って荒れ地となってしまっている様子がわかりました。この広大な地域に広がった高濃度の汚染を取り除くことなどできるのか?福島第一原発の廃炉も含めて、高い放射能汚染の区域での作業に従事する皆さんの健康被害のことを考えると、心が痛みます。

帰還困難区域に残された家屋。塀は倒れたまま放置され、農地は荒れ地に

本当の復興に向けた努力が各地ではじまっていました

渡邊寛一市議ご夫妻の案内で、福島の各地ではじまっている復興に向けた努力についても知ることができました。多くの田畑に菜の花が植えられていましたが、菜種が放射性物質を吸収しにくいということで栽培が試されはじめているということでした。渡邊さん夫妻の畑では綿の栽培をはじめようとしているということで、ちょうど芽が出てきたところでした。

田んぼも放置しておくと米をつくれなくなってしまうので、お米の作付けもはじめられていますが、ほとんどは飼料米として出荷されているとのこと。原発事故の前に「無農薬米」として出荷されていた農家が除染の努力をして、「100ミリシーベルト以下の数値になった」ということで出荷をしたが、お客さんからは「20ミリシーベルトの放射線量が出た」と返品されてしまうといった、やりきれないご苦労もお聞きしました。

農地を再開する努力がはじまっています

このように、福島県ではまだまだ未来に展望の見えない事態がすすんでいるにもかかわらず、安倍政権は、あの原発事故がなかったかのように全国で原発再稼動をすすめています。しかし、いまも野積みにされている、あの膨大な放射性廃棄物をなかったことにはできません。国民の皆さんの命と健康、福島の皆さんの大切な家と田畑、ふるさとよりも、一部の電力会社のもうけを優先させる、安倍政権の政治を何としても変えなければならない。怒りを新たにする視察となりました。近いうちに、また福島へ伺いたいと考えています。

 

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ちさか拓晃

ちさか拓晃

日本共産党・衆議院京都2区(左京区、東山区、山科区)予定候補、党府委員会常任委員(青年・学生部長)。
1973年生まれ、1991年大阪府立今宮高等学校卒業、1996年京都精華大学美術学部卒業。
左京区修学院在住、家族は妻と4歳女子。

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