30年あまりの日本の政治の流れを振り返ると、今回の総選挙の意義がいっそう鮮明に。

蓬莱駅の外から見上げた湖西の山々は雪景色となっていました。

若い皆さんから、学習会をするので総選挙の結果をどう見るかを話してほしいと言われ、滋賀県の蓬莱の会場まで行ってきました。総選挙で広がった「市民と野党の共闘」の経験、京都2区で起こった変化などを中心に話すつもりでしたが、若い人向けに少し長いスパンで歴史を振り返ってみようと思って考えはじめると、どちらかというとそちらが中心の話になってしまいました。

30年あまりの日本の政治史を振り返ってみると、今回の総選挙の意義がいっそう鮮明に浮かび上がってくる思いがしました。お話しした一部をご紹介します。

70年代までは、政党では社会党と共産党による共闘が普通に行われ、野党と市民団体が推薦する知事が、京都、大阪、東京など主要都市に広がっていた。ところが、1980年1月の社会党と公明党による「社公合意」によって、日本共産党が政権構想はもちろん、当面の共同の相手からも外されてしまう時代がはじまった。

1993年、自民党の支持基盤の崩れと金権腐敗政治への批判の広がりから、自民党の結党以来、初の「政権交代」が起こる。成立した細川政権は「基本政策は自民党政権から引き継ぐ」こと、「非自民、非共産」を標榜した政権で、「政治改革」と称して、今につながる小選挙区制、政党助成金の制度を導入した。

あらゆる勢力が政権に関わり、かつ自民党型の政治は変わらなかったことから、90年代後半には共産党が政権批判の受け皿政党となり、大きく躍進。1998年参院選では史上最高の819万票を獲得する。

1999年からは公明党が政権入り。自民党は単独では政権を担えない政党となる。自民党政治への批判の受け皿となりうる大きな野党、「保守二大政党」をつくりあげる試みのなかで民主党が誕生。2000年代初頭の選挙は「マニフェスト選挙」「自民か民主か」一色になり、共産党の得票は低迷する。

そして2009年、民主党による「政権交代」が実現。民主党は、高校授業料の無償化、子ども手当、後期高齢者医療制度の廃止など、自民党がすすめてきた教育と社会保障への支出削減路線の転換、沖縄・普天間基地の県外移設など日米安保体制を転換する政策を打ち出して有権者多数の支持を獲得した。掲げられた政策には、これまでの自民党政治のあり方を変えなければ実現しないものも含まれていたが、その変革を支える(実際には多数者である)市民の運動は不在で、日本共産党も野党の立場であった。

市民的な運動による支えのない民主党政権は公約を守れず混迷し、失望が広がるなかで「日本を取り戻す」というスローガンを掲げ、第2次安倍政権が誕生。しかし、自民党の支持基盤の崩れ、歴史的な退潮傾向を押しとどめることはできず、いっそう少数の勢力による政治支配がすすんでいく。安倍政権のもとで、民主党に失望した人たちの政権批判の受け皿となった共産党が躍進することに。

「失望」を広げた民主党政権であったが、この時期に、普天間基地の撤去を求める「オール沖縄」のたたかい、3.11大震災と原発事故を受けた「脱原発」の運動など市民の運動、政治参加が広がり、安倍政権による2015年の安保法制強行に対する国民的な運動が準備された。この運動の広がりのなかで、市民の皆さんの後押しにより、野党共闘の萌芽が生まれる。2016年参院選では初めての野党共闘が実現。とりわけ東北や沖縄など、自民党政治の矛盾が押しつけられた、従来は「保守的」と言われていた地域で地殻変動的な動きが起こる。

2017年総選挙は、「市民と野党の共闘」体制でたたかわれる初めての衆議院選挙となった。総選挙の直前に起こった民進党の希望の党への合流劇は、日米安保(対米従属)体制を守りたい勢力による「野党共闘壊し」の策動であったが、この逆流を乗り越えて、新たな市民と立憲3野党による共闘体制がつくりだされた。共産党が候補者を立てなかった小選挙区83のうち32で勝利、さらに比例復活も23。合計55人の候補が国会議員に。

自民党の得票数と得票率の変遷。歴史的退潮傾向は明らか。2005年に復活したように見えるのは小泉政権による「郵政解散」での得票増

30年あまりの歴史を振り返ってみると、自民党が2回の野党陥落を経て、単独では政権を担えない少数者の意見(利益)を代表する政党となってきたこと、そして1980年に壊された日本共産党を含む「市民と野党の共闘」(統一戦線)が再構築されてきたことがわかります。

さらに、この間の日本共産党の躍進は、自民党批判の受け皿となりうる他の野党がなくなったときに起こっていることもわかります。そこから私たちの課題も見えてきます。「政権批判の受け皿」としてだけではなく、日本共産党こそが、今の日本の困難を打開していく展望と力を持っている政党であることを、もっと多くの皆さんに届け、伝えていく努力が必要です。

「政党助成金・企業献金を受け取らない唯一の政党」であること、日米関係や自衛隊など「リアリズム」の外交・安保政策を持っていることなど、日本共産党自身の値打ちの押し出し、そして、やはり資本主義を乗り越える社会を展望している「社会主義政党」としてのイメージを再構築していくことなどが課題になっているのではないでしょうか。

こういった課題について、私もさらに深めながら、多くの皆様と意見交換を行っていきたいと思います。ご意見、疑問などあればぜひお寄せください。

11月19日、安倍政権のもとでの憲法9条改悪許さない、3000万署名への協力を呼びかける宣伝に参加しました。

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ちさか拓晃

ちさか拓晃

日本共産党・衆議院京都2区(左京区、東山区、山科区)国政委員長、党府委員会常任委員(青年・学生部長)。
1973年生まれ、1991年大阪府立今宮高等学校卒業、1996年京都精華大学美術学部卒業。
左京区修学院在住、家族は妻と一女。

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